2004/08/15

温泉問題

色々と忙しく、Blog更新が出来ませんでした。m(_ _)m

今年の秋の国内旅行では、どうやら10〜15名の小規模団体で高級宿に泊まることが流行っているようで、ジャーニーマンでご紹介の宿にも、9月以降にそうした予約が多数入っている模様です。あちこちの観光地を巡るパッケージではなく、グループで憧れの宿に泊まるという傾向が見受けられます。

そうした、国内旅行復調の明るい兆しに影を落とす方ニュースが、ここ数週間続いています。例の「温泉問題」です。
白骨温泉に端を発し、国の調査が入っている過程で、水上温泉、石和温泉、昨日は芦原温泉でも、偽装温泉施設があった事実が報道されておりますが、これからもっと沢山の実例が出てきそうです。

※報道では“地名”として温泉地の名称が出てきますが、問題の施設が、必ずしも温泉の供給可能な地域内にあるとは限りませんので、その温泉地全体の問題ではないケースがあり、基本的には個別の施設の問題とお考えください。


温泉の定義は非常に難しいのですが、一般的には「温泉法」に定める届け出をし、都道府県に認定された施設が「温泉」と名乗ることが出来ます。(温泉法第三章第十三条)
温泉の有無は、施設にとって営業に大きく関わることですから、なんとしても温泉としたいところです。

しかしながら、温泉浴場の維持には、膨大なコストがかかります。自噴源泉を持つ施設、地域共同源泉を利用する施設に関わらず、天然温泉の含有成分は、配水管を侵食する、あるいはスケール(カルシウム成分などが堆積していく)が溜まるなど、ボーリング後にノーメインテナンスで恒久的に使用できる設備は皆無です。さらには、レジオネラ菌問題以降、衛生管理に対する施設のあり方が表面化し、真面目に清掃するほどに、人件費やお湯の入れ替えなどに関わる温泉供給量の増加で、維持コストは嵩むばかりです。

こうした施設営業とメインテナンス・コストが偽装施設を生み出す背景ですが、私たち旅行業者がそうした施設の事実を、残念ながらほとんど知らないのが実情です。施設側で最初から「実はウチ、温泉じゃないんですけど、温泉として扱ってください」なんて言われて、自分たちのお客様を騙して案内してお金を頂戴するメリットなんて、通常では何もあり得ないし、後でそれが発覚すれば、自分たちが非難の対象となり、顧客の信用を失うだけですから。

認可を受けた温泉には、浴場に「許可証」が表示されており、ジャーニーマンでは取材の際は必ず現場と許可証、成分表示(温泉法第三章第十四条)を確認しています。でも、私たちは、お客様が気持ち良くその施設のお風呂を使えるか、お金を支払って泊まる価値があるかがいちばん大事だという認識です。ホテルのように、たとえ温泉ではなくても、宿泊者がそこのお風呂を気持ち良く使えるのならば、私たちはそのようにご紹介しますし、源泉掛け流しでも、衛生管理に問題があれば掲載を見合わせるだけです。

宿の魅力は、利用者の感性や「間」といった要素もありますが、お金を頂戴する以上、最低限のスタンダードはあると思います。普段の生活では体験できない非日常空間や時間をお買い求めいただくことが、業者側のいう旅行商品ですから、真面目に、そしてバランスの取れた施設(=旅行商品)が、結局はお客様の支持を頂戴できるものと認識しております。

いずれは「天然の地下水を、天然素材の薪や石炭で沸かした自然派のお風呂」なんてキャッチフレーズの施設も登場するかもしれませんが、それを真面目に運営しているのであれば、決して非難の対象とかではないと思います。あとは消費者の選択・判断だと思うのです。今、本当に欲しいのは選択の根拠とする「事実の公表」です。